Nov 28, 2008

みかんNotes #1「フロントブレーキ」



2008年10月20日〜11月6日
Fブレーキー1
junjiさんの許可を取りましたので、少しばかりこちらで連載させていただきます。

さて、↓の画像は自宅近所でたまたま撮影したものですが、皆さんはどう思われますか?

実は、某バイク雑誌においてCBR400RRとか、CBR600RRとかその雑誌の編集長の愛車が紙面によく登場するのですが、いつもブレーキリザーバータンクが↓の画像のように真っ黒です。
今回はここから始まります。

0003989M.jpg
Fブレーキー2
↓の画像は、私のSRVの写真です。

先に上げた画像では、外から眺めても中のダイヤフラムが落ち込んでいるのは分かりますね。

この画像では、ブレーキリザーバータンクの蓋を外したところですが、見てのとおり中にあるゴムのダイヤフラムには変形はありません。

0003992M.jpg
Fブレーキー3
先に上げた画像を私のSRVで再現するとダイヤフラムは↓のような形になります。

ブレーキフルードを交換するときにこんな形に成っているのを見たことがある人も多いと思います。
0003993M.jpg
Fブレーキー4
本来は↓のような形が正しいのです。

では、どうしてダイヤフラムがリザーバータンクの中で変形してしまうのでしょうか?
少し考えてみてください。

0003994M.jpg
Fブレーキー5
前出の某雑誌では今月号にそのことについて触れています。

そこでは、ブレーキパッドが減るとその分だけブレーキオイルがリザーバータンクから出て行くので、それに合わせてダイヤフラムのジャバラが伸びると書いてありました。

”誤り”というよりは、”大嘘”ですな。

ブレーキパッドなど減らなくても、人によっては300・500km 程で落ち始めて1000kmも走ればボッコリ落ちきります。
人によっては、ブレーキパッドの限界まで使用してもダイヤフラムが落ちるどころか僅かな変形さえ起きません。

自分のマシンのブレーキオイルリザーバータンクを開けて確認してみてください。

ダイヤフラムが落ちている方は少なからずいると思います。
少し自分のブレーキングについて考えるよい機会と捉えてみてはいかがですか?
Cさん
折角のみかん教授の講義だから 無い頭捻って考えてみる<

1. まず自分のバイクのダイアフラムは落ちていなかった。ー確認ー
2. マスターシリンダー→パイプ→キャリパーピストンまでの容積はレバーに入力しても変化は無いはず?  すでに間違っている??
3. ダイアフラムが下がってくるのはフルードが減ってきているから?
4. フルードが減るのはどこかで洩れているから?
5. フルードが減るほど洩れているならブレーキのききが悪くて気が付くだろうに、?

ん〜ここまででもう限界!考えが先に進まない〜 教授ギブUPです〜
Zさん
送り出されたフルードはレバーが戻る事によってリザーバータンクに戻ってくる→が、
ブレーキのリリースが上手くないとダイヤフラムの反力が働かずにフルードが戻りきらない→
ダイヤフラムが負圧で変形したままになる→
ブレーキの引きずりが発生する

ということなのかなと思っているのですが。
ですがその先がわかりません(^^;
ブレーキシステムのフルードの循環系は閉鎖していると思っていたのですが、みかんさんの言う『限界まで使用して』の際に減ったパッドの分の飛び出したピストンの空間に入り込んだフルードがリザーバータンクの中でどのようになっているのかが理解できなくなっています。

ピストンの戻りはシールのロールバック分のみで、パッドが減ってピストンがロールバック分以上に出た分はリザーバータンクにフルードが戻らない。
なので、パッドの減りに応じて定期的にリザーバーキャップを解放してダイヤフラムの変形を戻してリザーバタンク内のフルードの量が下限値を切っていたら追加する。
という認識でいたのですが、短期的視野でならみかんさんの言うことはわかる気がするのですが、長期的視野で考えると途端に解らなくなってしまいます(@_@)
ブレーキが下手→メンテをしない、が悪循環に陥るということなのかとは思うのですが、上手なブレーキ操作次第でメンテは要らないと言う事になるのかな。。。

答えは宿題にしておいていいですか? >みかんさん
Wさん
> ダイヤフラム
 以前確認した時、かなり陥没してました。
 確かにパッドの減った分に比べ、陥没量が多かったようにも思います。
 なにがNGなのか想像もつきません(^^;
Fブレーキー6
>Zさん ヒントどぉえ〜す!!

1. リザーバータンクの気密性はそれほど高くありません。
2. ブレーキオイルとダイヤフラムの間は( ?)圧が発生しますか?
3. ダイヤフラムと蓋の間には(?)圧が発生しますか?


さて、これらはどの様にブレーキを扱うと    はこうで    はどうで   だからこれはこうなって、そんでもって    はこうだから     こうなる。
次に、ブレーキを   扱った場合は    はこうで     はどうで    だからこれはこうなって、そこで    はこうだから      こうなるのか。

今回は、ブレーキフルードの熱による膨張は考えなくてもよいです。
Dさん
便乗して考えてみました。

1)ブレーキレバーを放している場合、キャリパーピストンはピストンシールが変形しない状態の位置にいる。
 このとき、ブレーキパッドはブレーキディスクに触れていません。
2)ブレーキレバーを握っている場合、キャリパーピストンはピストンシールを変形させてまでブレーキパッドをブレーキディスクに押しつけます。
 当然、ブレーキパッドはブレーキディスクに触れています。
3)ブレーキパッドのパッド部分はブレーキディスクに触れる部分なので、ブレーキパッドが減ることによって変化するのはブレーキパッドがブレーキディスクに押しつけられているとき、すなわちブレーキレバーを握っているときだけなんじゃないかと思えます。
4)そうすると、ブレーキレバーを放しているときのキャリパーピストンの位置は、ブレーキパッドの減りとは何ら関係がなく、同じ位置になるんじゃないかと。
5)キャリパーピストンの位置が違わないとすれば、ブレーキフルードの量も変わらず、ブレーキホースの長さも変わらない以上、ブレーキレバーを放しているときのリザーバタンク内のフルード量は同じになると考えられます。
6)こうなってくると、ブレーキパッドの減りによって変化するのはブレーキレバーを握ったときのキャリパーピストンの突出量と、同じくブレーキレバーを握っているときのリザーバタンク内のブレーキフルードの量だけと考えられ、ダイアフラムの変形がリザーバタンク内のフルードの増減によって引き起こされるものであるなら、パッドが減ることによって変化するのはブレーキレバーを握ったときの変形具合であり、それもブレーキレバーを放すことで同じ状態に復元されるはずで、ダイアフラムが変形しっぱなしになる直接の原因ではないと思えます。(というか、そうなったら設計ミスな気がしますね^^;)

以上をふまえた上でダイアフラムの変形を恒常的なものにする要因はなんだろうと考えると、常にブレーキレバーを握った状態で強弱を加えるような入力をするとなるんじゃないかと。。。
ブレーキを握って、放せば元に戻るはずなのに、元に戻る前に更にブレーキを握り込む事で更に変形させてしまうと、何かの拍子に異常な変形を起こしてしまい、以後元の形に戻らなくなる。

そんなメカニズムな気がします…が、どーだろう^^;
H1さん
ダイヤフラムの件について書き込みします。
まず最初に、私はダイヤフラムがこのように変形してしまう事自体知らなかったので、
大変勉強になりました。(ありがとうございます)

最初はブレーキキャリパーの整備不良に起因するメカニカルな事象だと思ったのですが、
(ブレーキリリース→ピストンの戻りが悪い→タンク内の負圧の発生→ダイヤフラムの変形)
みかんさんの書き込みを読み返すと「ブレーキング」に問題点がおかれているようなので、
ブレーキングの癖によるものではないかと推測します。
具体的に言うと、ブレーキリリースを「パッ!」と急激に行う事で、
リザーバータンク内の負圧が瞬時にかつ強力に高まり、
リザーバータンクが外気を取り込もうとする力が、
ダイヤフラムを瞬間的に復元不可能なくらい変形させるではないかと思います。
本来、ブレーキはスイッチのON・OFFのように「ガンッ!」「パッ!」操作するものではなく、
極端に言えば、水道の蛇口をひねるようにジワっと操作するのが基本なので、
(極短時間の強力なブレーキングの中であっても)
そのような急激な操作(この場合は特にリリース)は想定外の範疇なのかもしれません。
コーナーリングでのブレーキ操作を例に取ると、
コーナーへのスムーズなアプローチ=挙動の不安定化を極力抑える為、
ブレーキはコーナーリングフォースに合わせて徐々にリリースするものであり、
溜まったブレーキフォースを一気にリリースしてしまうのは急激な挙動変化を誘発しリスキーです。
つまり、みかんさんが仰りたいのは、
「ブレーキ操作の基本が出来ていない人が多い・ブレーキ操作を誤解している人が多い」
という事なのではないかと思います。
(先読みし過ぎてスミマセン…でも全然違ったりして^^;)
Sさん
>ブレーキパッドが減るとその分だけブレーキオイルがリザーバータンクから出て行くの  で、それに合わせてダイヤフラムのジャバラが伸びると書いてありました。
大嘘なんですか?
蛇腹の伸びは、「空気が入ることによっての泡立ちを防ぐ事」と思うので
いい仕事してるね、蛇腹クン。かな?
「蓋から蒸発」だと蛇腹が働かない。
では、それ以外の要因で減ったり(もしくは増えたり)している、ということ?
単純に考えると、キャリパーのオイルシールの限界(ブレーキの限界)
を超えるほどの入力をして微量(気付かない程度)の漏れがある、とか。
耐圧ホースが拡がる程の入力を繰り返している、とか。

増える方は湿気とか吸収してたり・・・

と、幼稚な思考力でスミマセン。
ありがとうございます
こんなに多くの方から反応があるとは思いませんでした。

>Cさん
フルードは漏れ出るわけではありません。
ディスクブレーキは運動エネルギーを熱エネルギーに変換するものですが、その際パッドを磨耗させ、熱を発生します。
結果、ブレーキフルードは高温にさらされ劣化しますが、同時に気化もします。それはどこへ?

>Zさん
リザーブタンク内のフルードが量的に移動するのは、ブレーキパッドが磨耗した後のことです。フルード自体の熱対流による移動とは異なります。

>Wさん
Wさんの言われるように、磨耗したパッドの容積よりもダイヤフラムの突出量の容積のほうが大きいのはおかしいですよね。

>Dさん
目の付け所はものすごく良いと思います。あと少し!

キャリパー側ピストンの突出量は、マスター側ピストンの移動量で決まります。これらのコントロールはキャリパー側ピストン径とマスターシリンダー径との比率で行います。

ブレーキリザーバータンクはあくまでもタンクです。
足りなくなったフルードを補充するのが仕事です。   しかし・・・

>H1さん
先読みは正解です。しかしその前の説明の部分は”逆”ですよ。

>Sさん
一部正解です。先ほど、Zさんに出したブレーキー6を読んでみてください。
Cさん
みかんさんのヒントを総合すると、---総合できるのか?

ダイアフラムが落ちるのは フルードが漏れているのではなく 減りが早いから。
ナゼ早いのか ブレーキングを引きずりすぎていて ローター、パッド、キャリパピストンが高温になり フルードも高温に晒されて気化する率(量)が増える。
よって 走行距離に対してフルードの減りが早い人は 自分のブレーキングの仕方を引きずっていないか 疑う必要がある。ってことか?

簡単にしすぎ! 文章力無さすぎ!
Fブレーキー7
>Cさん
いい線、いっています!  それも結果の1つです。


さて、週末には実際のライディングで確認ができる様に ”理屈編” よりも ”実践編”を先に解答します。

ストレートに表現しますが、どうか気を悪くなさらないように!

>ダイヤフラムはパッドが限界まで減っても落ち込まない人

普通にブレーキの操作が出来る方ですね。
出来て当たり前の事なので、特別 ”上手”という評価はしません。

>ダイヤフラムが落ち込んでしまっている人

 ”下手くそ” です!
出来て当たり前のことが出来ていませんから、これが正当で真っ当な評価です。


峠でも、サーキット・コースでも、とても速い人たちでもマシンを見るとリザーバータンクの中はダイヤフラムが落ち込んで真っ黒になっているのを頻繁に見ることが出来ます。というか、落ち込んでいるマシンのほうが多いぐらいです。

あんなに速く走っているのに!   彼らは上手なのではないんですか?

いいえ、下手くそです。
まず、誤解を解いておきましょう!
速く走ることと上手に走ることは別なのです。

慣れてしまえば、スピード感覚に優れている者はすぐにそこそこ速く走れてしまいます。
でも下手なままなのです。
では、上手なライディングとは何でしょうか?

”コントロール” が出来ているかどうかなのです。そのコントロールは行き会ったりばったりではなく、いつ何時でも確実に再現できることを ”上手”と呼びます。

ライダーは速く走れる人間をに憧れます。これ事態は悪いことではありません。自然なことと思います。ただ同時に、速い人は上手いと勘違いもしてしまいます。これは間違いです。
また、少し速く走れるようになると無理をしだします。他の人は危険だからやらないことに手を出し、それが出来ることを上手になったと勘違いします。これも間違いです。

普通はしない乗り方をすることは、曲芸・曲乗りで合ってそれは別分野の事です。通常のライディングには必要ありません。そんなことよりも、マシンのきちんとした取り扱いが出来るようになるべきと思います。

ダイヤフラムはブレーキという機構の中でその機能を発揮するための大切なパーツです。そのダイヤフラムが正しく機能していないということは、ブレーキ機構が正しく扱われていないということ。つまり、扱いが ”下手くそ”なのです。

ご理解いただけたでしょうか?
Fブレーキー7 (番外編)
普通にオートバイに興味を持ち乗り出した人が殆どと思います。
そのような方々にとってバイク雑誌は情報源であり、ある意味教科書でもあります。

雑誌によっては正しいことが書かれていることもたまにはありますので全てを否定することはしません。
今回のブレーキについて言えば”あの程度”なのです。この程度の人から、やれブレンボだ、ベルリンガーだ、ラジアルポンプだ といわれても信憑性もないし、信頼も出来ません。
その前に、ブレーキ使えるようになれよ!  ってところですよね。

くれぐれも煽られてその気にさせられないように気をつけましょうネ。


日本車に限ってですが、’70前半は確認していませんが、’75以降ののマシンでは動力性能に対して制動力が明らかに不足しているマシンはありません。それどころか’85前後からはあきらかにオーバーキャパシティとなり現在までそれは替わることなく続いています。

しかしそれでも、そんなこと無いよという方がいます。ブレーキはもっと利いたほうがいいよという方がいます。  なんでですかね?

ほんというと、きちんとブレーキが使える人も異常と感じているはずです。ただしこの方たちは、ブレーキディスク板を小さくするとか、WディスクをSディスクにするとかの必要を考えているはずです。   なんでですかね?

さあ、いよいよここから次の段階の話が始まります。
Fブレーキー8
お待たせしました。ここまでが長かったですね。
やっと具体的は話に入ります。

ブレーキのかけ方には大きく分けると2つあります。

● 最初にギュッと効かせて、圧を抜くように手のひらの圧でコントロールするブレーキング

● 最初は軽く当てて、後から握り足すようにレバーのストロークでコントロールするブレーキング

さて、ここで問題です。!
どちらのブレーキング方法が ”安全”という基準に照らし合わせたときに ”理に適っている”か 考えてみてください。

副題として
どちらのブレーキングの時にダイヤフラムは落ちるのでしょうか?
Zさん
○ダイヤフラムが落ちる理由
1.ブレーキレバーを引きプライマリーカップがプライマリーピストンを通過した時点(ブレーキを効かせている状態)ではリザーバータンクの内圧はセカンダリーカップの働きにより変化せず。
2.ブレーキをリリースする際に、マスターシリンダーのピストンの動きを阻害するようなゆっくりとしたレバーの放し方をすると十分な負圧が発生せずにキャリパーピストンが戻りきらなくなる。
3.プライマリーピストンが元の位置に戻り、プライマリポートとピストン内が繋がった時、戻りきらなかったキャリパーピストンの容積分のフルードがタンクから一気にマスター内に入り込んでしまう。
4.その際にリザーバータンク内に負圧が発生してしまい、結果ダイヤフラムが落ち込んでしまう。

ということで、ブレーキレバーのリリースが下手だとダイヤフラムが落ち込んでしまいタンク内に圧が掛かり、その結果リザーバータンク内の圧力で常時ピストンが押し出されてしまい、パッドに引きずりが発生してしまう。

#通常ならばリザーバータンク内のフルードがピストン内に送り込まれるのはパッドが減った時のみで、パッドの減少量分では急激なピストンの押し出しにはならないためにリザーバータンクの密閉度以上の負圧が発生することも無くダイヤフラムが落ち込むことはない。
ダイヤフラム
>Zさん

ほぼ正解です。 でも”チョット”足らないと思います。
2:どうして十分な不圧が発生しないのでしょうか?
4:リザーバータンクの負圧は最後はドコへ行ってしますのでしょうか?
Zさん
2.ブレーキをリリースする際に、マスターシリンダーのピストンの動きを阻害するようなゆっくりとしたレバーの放し方をすると十分な負圧が発生せずにキャリパーピストンが戻りきらなくなる。

2.ブレーキをリリースする際に、マスターシリンダーのピストンの動きを阻害するようなゆっくりとしたレバーの放し方をすると、本来キャリパピストンを戻すための圧力の発生をレバー操作が邪魔してしまい、十分な負圧が発生せずにキャリパーピストンが戻りきらなくなる。

4.その際にリザーバータンク内に負圧が発生してしまい、結果ダイヤフラムが落ち込んでしまう。

4.その際にリザーバータンク内部に負圧が発生してしまい、大気解放されているダイヤフラム外部(上部キャップ内)と気圧の釣り合いが取れたところまでダイヤフラムを引き下げる力が発生して、結果ダイヤフラムが落ち込んでしまう。

纏まりきらないのは、普段如何に漠然と乗っているか分かろうと言う物ですね(^^;
Fブレーキー9
A: 最初にギュッと効かせて、圧を抜くように手のひらの圧でコントロールするブレーキング

B: 最初は軽く当てて、後から握り足すようにレバーのストロークでコントロールするブレーキング

解説に入りますね。  チョットその前に

ブレーキには減速と停止があります。当たり前ですね!いまさらのことではありません。
しかし、この当たり前のことが意外と分かっていないようです。
サーキットやコースでは減速はありますが基本的に停止は行われません。ここが一般公道の走行と最も違う点です。
減速に限れば、↑のAでもBでもどちらでも出来てしまいます。しかし、この場は一般公道を ”安全”に走ることを前提としていますのでそちらで説明をしましょう。

さて、頭の中でイメージしてみてください。
今、時速100kmで走行してます。前方の信号が赤に変わりましたので停止させます。100kmから0kmにするわけです。途中を考えますと
1.100kmから60kmへ
2.60kmから30kmへ
3.さらに30kmから0kmへ    徐々にスピードが落ちてゆきます。
この場合、1.・2.・3.のうち最も強い制動力を必要とするのはどれ(いつ)でしょうか?


もう、お分かりですね!
本来、ブレーキは A のように扱うものなのです。
また、ブレーキは A のように扱うように、構造・機構・機能が作られています。
Fブレーキー10
言われてみれば、当たり前。こんな事言われなくても分かっているよ!
しかし、巷では出来ていない人があまりに多いですよね。
4DNに乗られる方は比較的皆さん出来ていました。アチャーという方は、この間の全国ミでは3台か4台で、アレ〜という方が4台ほどだったかな?他の方々は普通に出来てましたから、33台の中での割合で見れば、他のマシンに乗られている方々より出来ていない方の割合は少ないですね。
余計なお世話でしたらスミマセン!

さて、話はまだまだ続きます。
B: 最初は軽く当てて、後から握り足すようにレバーのストロークでコントロールするブレーキング
次は、どうして↑のようなブレーキをする人が出てくるかを考えて見ます。

原因は一つだけではありません。いくつか上げてみましょう。
最も多いと思われるのは、峠を走ったり、サーキットを走ったり、コースを走ったりするからだと思います。

ご存知のように、日本のサーキットは鋭角コーナーであったり、グルリと回り込むコーナーが殆どです。ショートサーキットも同じですし、ジムカーナのコース設定もそうですし、挙句の果ては、交通安全講習会のコース設定までもがそんな状態です。

話をサーキットに戻します。殆どのコーナーはゆるいカーブで始まって奥に行くほどRがきつくなります。
この様なコーナーでは、コーナー手前の進入の段階でメリハリのあるブレーキングを必要とせず、ただダラダラとブレーキを引きずるように進入して奥できつくなるコーナーに合わせてブレーキを握り足してゆくことになります。運転手がよほどしっかりした意識を持ってないと、コースレイアウトに流されてしまい↑のBのようなブレーキになり、どんどん下手くそに成ります。

サーキットに限ったことではありません。峠でもどこでも同じことです。減速しか行わないとAでなくてもBでも事足りてしまうので、正しいブレーキングを見失ってしまいます。

思い出してください! 上手になりたいのであれば ”鈍角コーナーで”の意味はここにあります。
Fブレーキー10(番外編)
誤解の無いように! わたしは、サーキット走行・ジムカーナ・峠走りを否定していません。

ただ、冷静に眺めていると、最初は上手になりたくて通いだしたものの、途中から速く走ることが偉いこと、上手になることと勘違いをして、ただ単にタイムをつめるだけに精を出し、 ”大切なこと・肝心なことを見失っている” ようにしか見えないのです。

インターネットではいろいろなものが見れて便利です。
例えば、”トミンサーキット”でもすぐに捜せますし、”走りの映像”もYouTubeにありました。1周27秒台とんでもなく速いのでしょう。しかし、よく聞いているとコースの殆どがアクセル・オフ状態でいったいいつアクセルを開けているのでしょうか?
ジムカーナも同じです。上級者はスムーズな運転に見えますが、よく見るとS字にしろ、クランクにしろブレーキランプは点灯しっぱなしです。
ダートといわなくとも、ジャリ道で同様にブレーキをかけたまま切り返せば ”飛ぶな〜”って誰もが思うでしょ。実際、オフロードを走っている人たちは間違ってもそんな危ないことはしないでしょ。危険なことが出来るようになることが技術の向上ではありませんよ。

この様なことは誰も言いません。けれど私は”ハッキリ”と言います。安全でないからです。サーキットや峠などはこの様な間違ったことがまかり通るところでもあります。そこを良く理解した上で、目的を定め利用すれば、それは本来の利用の仕方ですので、得られるものはあると思います。
Fブレーキー11(真綿伝説)
聞いた事がありますか?

”ブレーキは真綿でギュッと締めるように効くのが良い。”
”ブレーキは最初はジワッ・奥でギュッと効くのが良い。”

こんなの聞いたことがありますか?  私はこれを”真綿伝説”と呼んでいます。
ドラムブレーキのころの話ですが、今でも良いブレーキのあり方として語られているようです。

さて、ここで問題です。
この話の本質はどこにあり、どうしてこの様に語られるようになったのでしょうか?
Fブレーキー12
ブレーキは真綿でギュッと締めるように効くのが良い。”
”ブレーキは最初はジワッ・奥でギュッと効くのが良い。”

今回は、”真綿伝説”の解説です。
どの時代にも、上手な方と下手な人はいるということです。

ドラムブレーキの時代の話です。 オ〜っと4DNもリアはドラムでしたね。
参考になると思いますので、感触を思い出しながら読んでください。

ドラムブレーキはその構造上シューとのクリアランスは多くとってあります。したがって、ディスクブレーキのように握るとすぐにディスク板とパッドが接触することはありません。
つまり、構造上すぐにカチッと効くことが無いのです。ではどうなのかというと、握り始めはどう握ってもジワ〜とした感触になります。その後のところで、ギュウ〜と立ち上がるように剛性が高くなる領域があり、ここが最も効かせられるところです。

やはり、この時代の方でも上手な方は最初にギュッと効かせています。最も効くところ、剛性の高まるところまで一気に持ってゆき、そのわずかな領域をワイヤー作動という”圧”のコントロールに適していない構造をものともせず、使いこなしていたようです。
これを表現すると
”最初はジワ〜となるが、奥でギュ〜ッと効かせるようにする。” となります。


多くの人は使い方が分からず、最初は軽く当てるようにジワ〜と握り、その後はストロークさせるように力一杯ギュ〜〜〜と握りたしていきます。しかしこの方法では、剛性の高まる部分・最も効く部分は使えていません。強く握れば効くというものではありません。握りすぎてもレバー角が変化してしまい効率よく作動しません。
しかし、表現は
”最初はジワ〜で、後からギュ〜〜とかけるようにする。”

同じ表現になってしまいました。

しかし、本質は ”似て非なるもの” なのです。
Fブレーキー13
ここまでで、ブレーキの使い方がご理解いただけたでしょうか?

 ”最初にギュッと効かせて十分に減速させ、その後は圧を抜く方向でレバーストロークではなく、手のひら・指全体で圧をコントロールするブレーキング”

これが、ブレーキの基本です。

ディスクブレーキはこのコントロールのために開発されたといっても過言ではないと思います。
Fブレーキー14
ブレーキのお話”具体的編”いかがでしたか?

一言でブレーキといっても、これだけで独立した技術ではありません。いつ、どのような姿勢で、どのようにかけるか、全ては一連の流れの中の動作の一つとして行うことですから、全てがつながり切り離せるものではありません。

しかし、文章で伝えると成ると、一つずつ分けて説明するほか無いのです。まだまだお話はいっぱいありますが、一旦最初の”ダイヤフラム”の話に戻ります。

  < ダイヤフラムが落ちる理由 >

1. ブレーキレバーを引くと、マスターシリンダーのフルードが押し出され、オイルホースを通しキャリパーピストンが押し出され、結果パッドがディスク板を圧します。
2. ブレーキレバーを戻すと、マスターシリンダーピストンも戻り、陰圧の発生によりフルードも戻り、キャリパーピストンも戻り、結果パッドもディスク板から離れます。
3. このときは、リザーバータンク内のフルードの移動はありません。
4. リザーバータンク内のフルードは基本的には、パッドが減った分だけフルードホース内に補充されるだけです。
5. しかし、ブレーキの扱いをギュッとした場合は問題ないのですが、握り足す使い方ではストロークさせる事で、マスター側ピストンを奥のほうに追いやり、キャリパーピストンも出っぱなしとなり、さらに毎回・毎回のブレーキ時間が長くなることによりそれらのパーツに悪いあたりが付いてしまうことになり、徐々にキャリパーピストンの戻りが悪くなってゆく。
6. ブレーキレバーを戻しても、キャリパーピストンは戻らない、当然、フルードホースが陰圧となり、パッドは減らなくても、リザーバータンクからフルードがホースに移動する。
7. 次はリザーバータンクが陰圧となり、ダイヤフラムがわずかに膨らむことになる。
8. リザーバータンクは完全な気密ではないので、陰圧の分だけ蓋の隙間からエアを吸い込みダイヤフラムは元の形には戻れなくなる。
9. これをひたすら繰り返します。1000kmも走行した頃にはダイヤフラムは見事に落ちています。
10. 握り足すブレーキ・引きずるブレーキでは、1回のブレーキ時間が長いのでフルードの気化率も高く、より消費・より劣化します。このことがよりダイヤフラムの落下に拍車をかけます。
Fブレーキー15(最終回)
ダイヤフラムから始まったブレーキのお話、いよいよ最終回です。

ブレーキが正しく使われているかどうか、つまるところライダー個人の問題ですので、周りがとやかく言う問題ではないといえばそれまでですが、そうとばかりはいえません。
その為に、事故につながれば周囲の方は悲しむことになりますし、バイクの社会認識はますます厳しくなり、しいては全てのライダーに迷惑をかけることにもなります。

誰も言わないので、私が ”誰もが自分自身で気が付くことのできる判定基準” を示しました。それが ”ダイヤフラム” です。



ここまで来て、やっとストレートに表現が出来ます。

ブレーキの上手な方はそのかたのブレーキレバーを握ればすぐに分かります。
例外なく、”カチッ”っとしています。

ブレーキレバーを握って”奥のほうが柔らかかったり”・”グニャグニャ”しているのは、本人が自覚している・自覚できていないに関らず、ブレーキを引きずっていたり、握り足して使用しています。

何度でも書きます!
大切なことは、その方法が ”安全”かどうかです。

      より安全に
        より楽しく
          そして、より・・・


  あなたは・・・?



どうです?
楽しんでいただけましたか?
それとも、痛かったですか?

この様な、お話を掲示板に書きこまさせていただけたことに感謝いたします。

                   みかん
Nさん
>みかんさん
非常に詳しく論理的なブレーキの話は、とてもおもしろかったです。
ダイアフラム落ち込みのメカニズムも納得できました。
さて自分の車両の状態はどうだろう?
すくなくとも、先日SRXのリアブレーキをチェックしたときは ダイアフラムが酷い変形状態でした。
コーナーリング中の車速調整などでずるずると引きずっているのでしょうね。

安全に、楽しく、スマートに。

サービスエリアなどで隣車両のダイアフラムが気になってしまいそうです。
ありがとうございます
>Nさん

>コーナーリング中の車速調整などでずるずると引きずっているのでしょうね

 ( 余計なお世話を一つ )
Q:Rブレーキはどのようなときに、どのように使用するのが本来の使い方でしょうか?

コーナーリング中の車速調整出ないことは確かです!
”安全”に照らし合わせて考えた場合、コーナーリング中にFブレーキを使うことはもってのほかで、それに比べればRブレーキはまだまし、とはいえ、本来行うべきことではありません。

では?
Nさん
リアブレーキをつかうタイミング。。。
ブレーキング時に フロントより一瞬早くリアを使うことで、車体が沈み安定する。。。
安全講習会で急制動をやると リアブレーキによる車体の安定はすごく良くわかります。
山道でも無意識に同じようなタイミングでリアを使ってると思います。

あとはUターン時に、回転数を上げて駆動力を伝えつつリアブレーキで速度調整するように使ってる気がします。
さすがです!!
そのとおり!!  正解です。

車体コントロールの最も初歩です。
左右のコントロールの為には、その手前で前後のコントロールが必要です。
詳しい解説は、いずれまた。

Nさんには必要ありませんね。
Nさん
旋回前の前後の動き、旋回力を引き出すための身体の落差(抜重)の利用、、、みかんさんに文字にしていただいたおかげでイメージ化がしやすくなりました。
、、、実践したいな〜(走りに行きたいな〜(涙)
ありがとうございます

>旋回前の前後の動き
ご存知の通り、旋回手前でのマシンの前後挙動をライダーがコントロールする動作です。

>旋回力を引き出すための身体の落差(抜重)の利用
申し訳ありませんが、私はこの様なことを書いた記憶がありません。何か紛らわしい表現を使用した為、勘違いされていたらお詫びします。

トライヤルでは自分自身の体重移動、さらに体重そのものを抜き去る動作等を駆使してマシンをコントロールします。ここから ”抜重” と使われています。

ロードレースでは、その常用速度域において、加速G・減速G・コーナリングGといった多大なGが発生します。このGは マシン重量+ライダー重量 により発生し、それはマシンにとって大変な負担となります。そこでライダーは最低でも 自分自身の体重 と その体重G をさらにマシンの 加重G をコントロールをして減らさなければなりません。この動作のことを ”抜G” と呼んでいます。

コーナーリング中は、不要な加重(ライダー体重・体重G)を抜くコントロールのためのハングオフが必要となります。

もう、お分かりですね!

日本のロードレースを見る限り、内向性を高めると称してマシンに体重を預け、ただ単にぶら下がっているだけのハングオンです。こんな動作では決して内向性・旋回性は高くなりませんよ。

名誉の為一言付け加えますと、日本のトライヤルレースでもきちんと”抜G”は行われていますよ。

今回のお話は、
  正しい前後のコントロールを身につけ、
    正しい左右のコントロールを身につけ、
      さらに、正しい上下のコントロールを見に付け、
        その後の領域の話です。

参考に、とどめておいてください。
ハングオフ
コントロール下に置かれた ”ハングオフ”

0004094M.jpg
Nさん
>みかんさん
>旋回力を、、、、
失礼しました。
H2さんのところで書かれていた「舵角のつけかた」を飲み込もうと、和歌山利宏氏の本を読み直しをしたり、自分の走り方を反芻したりして 自分の中で融合させようとした結果の一文でした。こちらこそ紛らわしくてごめんなさい。

最近、タイヤに依存するコーナーリングのクセがついてしまい、突っ込み気味+バンク依存+アクセルオフが長いという、安全でない走り方になってる感じです。
山道に行くとつい楽しくてアクセル開け気味、操作がラフになる傾向があるので、基本に立ち返って走ってみようと思います。
H2さん
●ブレーキ
フロントをシッカリ使うのを心がけていたのですが、やっぱすごく怖い。
で、Nさんとみかんさんのやり取りを見て次なる挑戦。

リアを今まで以上にシッカリかけてから、フロントをシッカリかけると
フロントだけしっかりに比べ進入時に車体がずいぶん安定して
倒し込みしやすくなりましたよ。

タイミングはフロントの前にリアを先にかけて、リリースもリアを後にしたのが
こないだ走った感じでは具合良かったんですがどうでしょうか?

  • 転載したレスは前後を省くなどの編集を若干しているものもあります。あしからず。
  • ここで転載した以外にも多くの方の発言がありましたが、最後の二つを除いては、みかんさんが直接言及しているレス以外は省略させていただいてます。
  • 掲示板に投稿した内容をブログに保存される事に抵抗感のある人もいるかもしれないので、みかんさんの親記事以外は発言へのリンクを設けていません。


「みかんNotes」 一覧
posted by junji at 01:10 | Comment(1) | TrackBack(0) |
この記事へのコメント
パッドが減るとジャバラが伸びるのは大嘘

↓ならば

パッドが減ってもジャバラは伸びない

んなわけない、大嘘ついてるのはあなたじゃないか


そして全日本のハングオフではコーナリング力増えないとかいうのはやめときなさいよ

あなたの理論で速く走れるなら監督になれるね
 オレンジ
2015/10/26/ 23:41
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