2008年11月15日〜23日
前後のコントロール (ブレーキ編)
一言でコントロールと言ってもいろいろあります。
マシンのコントロール
ライダーの身体のコントロール
メンタルコントロール
今回は少し乱暴と思いますが、行き成りマシンの前後のコントロールから始めます。
マシンの前後の動きをコントロールするには、各種あります。
● まずは、ブレーキを使ったコントロールから
A:一般的なブレーキ手順より (下の図の解説)
サスの動き・マシンの姿勢・ライダーの位置に注目してください!
1:普通に、パワーオンの状態での走行です。
2:コーナーに備え、減速に入ります。
まず、アクセルオフによるエンジンブレーキ
マシンとライダーを含む荷重がFサスにかかり、Fサスは沈みRサスには逆トルクもかかり伸びることになります。
3:次にブレーキをかけ始めます。
よく言われているF:Rの8:2もしくは9:1でかけます。
Fサスが沈み込み、荷重はさらに前方に移動し、結果Rサスが伸びます。
4:さらにブレーキを強く握り足していきます。
Fサスは限界まで沈み込み、さらに減速Gも加わってライダーまでも前方にズリズリ移動してしまい荷重の前方移動も限界です。当然Rサスも限界まで伸びることになります。
ライダーは自分の身体を支えるのに必要のない力をハンドルに加えることにもなります。
とても不安定な状態といえますネ。
5:この様な状態では、わずかな切っ掛けで接地力のないRタイヤは跳ねるように暴れだします。ひどいときにはRタイヤだけでなく車体・ライダーまでもがポッピングします。
6:ブレーキが終了し、リリースします。
すでに、Rサスは伸びきったままです。Fブレーキのリリースにより、今度はFサスまでもが伸びることになります。サスは前後で”プーカプカ ”不安定の極みですね。
下の絵では大げさに描いてはいますが、理解はしやすいと思います。
さてこの様な場合、特に 4 での姿勢変化を少なくする為に、通常Fサスが軟らか過ぎるとしてバネレートの高いものと交換します。
さらに 6 での対応としてはRサスもバネレートの高いものと交換します。
しかし、残念!!プロのノウハウがない為にダンパーなども決まらずに、迷宮に陥ってしまうことになりかねません。
はたして、本当にサスが軟らか過ぎるのでしょうか?
軟らかいことは不都合な事なのでしょうか?
図A サムネイル
前後のコントロール-2 (ブレーキ編)
B:”みかんのお薦め”ブレーキ手順 (下の図の解説)
1:普通に、パワーオンの状態での走行です。
2:コーナーに備えます。
まず、クラッチを切ってアクセルオフによるエンジンブレーキを使用しません。
と、同時にRブレーキをかけて、リアを沈み込ませます。
3:次にFブレーキをかけます。一気に最も効くところへもって行きます。
スピードに見合った効かせ方であるのは当たり前とします。
リアに続き、同様にフロントも沈み込みマシンの姿勢は安定します。
4:制動中です。
徐々に荷重はフロントに移動し、最終制動配分は結果としてF:Rは8:2もしくは9:1になります。
決して、Fの制動力が8でR制動力が2と言うことではないのです。
5:ブレーキをリリースすると同時にアクセルオンします。もちろんクラッチは繋ぎます。
駆動力のかかったRサスは伸び、ブレーキをリリースされたFサスも同時に伸びます。
コーナーには安定した状態で、しかも加速状態で侵入できます。
6:2 と 3 を絶妙なタイミングで行うと、6 のようにポルシェのブレーキのようにマシン全体を地面に押し付けるようなブレーキが可能となりますヨ!!
クラッチを切ってのブレーキングは特別な方法ではありません。姿勢制御としては、四輪でも二輪でも普通に行われていますヨ。
この方法では、リアのホッピングは起きません。したがってRブレーキのフローティング化などというごまかしも必要ありません。4DNはドラムなので関係ありませんが。
以前から再三言っていますが、4DNは真面目に造られています。(特にSRV)
前後のサスのセッティングもバランスも十分に満足のいくものです。
バネレートもダンパーもです。
ノーマルの状態の基礎整備をきちんとしてみてください。
Rサスは
SRV/SRV-S プリロードは軟らかいほうから、1段もしくは2段で十分です。
ルネッサは姿勢の違いから、1段目でよいでしょう。
2万キロ以上走行してバネがへたったらもう1段上げるぐらいでいいです。
マシンの前後の姿勢のコントロールが出来るようになればサスの変更は必要ありません。
と、言うのが”みかんの考え ”です。
ただし、オーリンズがすき、WPがすきといった好みの問題はこの範疇ではありません。
図B サムネイル
Kさん
私もエンジンブレーキは使いませんが、ミッションに衝撃を与えるのが嫌でアクセルを煽りながら半分クラッチをつないでシフトダウンしています。ブレーキレバーを握りながらの作業なので中々上達しませんが。
Nさん
みかんさんの講義を実践する場として おすすめなのが
二輪車交通安全教室 /セーフティ ライディング スクール
http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/kotu/nirin/beginner.htm
山道の凍結が心配になる時期にオフミも兼ねてやりますか?
100円で一日遊べますよ〜
SRX組はときどきやってます。
シーズンインの時期にやるとウォームアップになっていいですよ。
記事
http://beatrhythmers.seesaa.net/article/92604206.html
前後のコントロール3 (ブレーキ編)
● 補足ー1
図A-2のエンジンブレーキ時に、Rブレーキを併用してみる。
Rサスには、エンジンブレーキの為の”伸びる力”が働くと共にRブレーキの為の”縮む力”も同時に働きます。
結果、相殺されてしまうことになりますが、Rサスは両方の力によって動かなくなってしまいます。これを、車体(R)が安定していると勘違いしているようですね!!
クラッチを切ると、Rサスには”伸びる力”は働きません。Rブレーキの”縮む力”だけが働きます。
図B-6の、ポルシェのような地面に押し付けるられるブレーキは”クラッチを切る ”という動作によって生み出されるものです。
● 補足ー2
<クラッチを切った後のシフトダウン>
クラッチを切って、ブレーキをかける際、アクセルは少々開けたままにしておきます。
そのままでブレーキ終了間際にシフトダウンを行うと”コツ・コツ・コツ ”殆ど抵抗感なく滑らかなシフトダウンが出来きます。
その際のアクセル開度というか、RPMですが、一概にいくつとは言えないのです。
最適回転数は一定ではありません、決まっていないからです。
マシンによっても違うし、ライダーの癖によっても違う、温度・湿度様々な条件によって日々変化するものだからです。
その場その場でのマシンの状態を察知してコントロール出来る様になることが”上手”になることです。
最初の目安としては、2000rpm〜3000rpmあたりで捜してください。
● 補足ー3
<ポルシェのようなブレーキ>
どんな強力なブレーキシステムを備えていても、それはホイールの回転を止めるだけのことでしかありません。
マシンの動きを止めるにはタイヤが地面に接地し摩擦が発生していることが前提です。
ホイールだけ止めて、スリップ・転倒では意味がありませんからネ!
ブレーキを使った前後のコントロールとは、同時にマシンの上下の動きのコントロールにもつながる事です。
より地面との接触力・摩擦を高める為に使います。
このブレーキを使いこなせるようになった時、
”4DNのブレーキキャパシティとくにFブレーキはオーバーキャパシティ ”
であることに気が付くと思います。
こんにちは
●Kさん
>私もエンジンブレーキは使いませんが、ミッションに衝撃を与えるのが嫌で ・・・
同感です!
エンジンブレーキは、タイヤ・チェーン・スプロケ・ミッション・エンジン内部とおいそれと交換できないパーツにまで”必要のない負担”を掛け過ぎます。
40年以上前の、止まらない・スピードも落とせないブレーキしか存在しなかった時代とは違うのですから。
●Nさん
いろいろな活動は全て経験と思います。
楽しんでくださいネ!
前後のコントロール-4 (アクセル編)
● お待たせしました? アクセル編に入ります。
4DNのエンジン音を言葉で書くと
ポト・ポト・ポト・ポト〜〜
トォルルル〜・トォリュリュリュ〜〜〜
シュルルル〜・シュリュリュリュ〜〜〜
シュ〜〜〜〜〜〜ン
こんな感じですかね。
けっして、
ブアブ〜・ブアブ〜
ドォルルル〜〜
グゥオ〜〜〜ン
ガアアアア〜〜〜ン
カアアアア〜〜〜ン
ではないことは分かりますよね。
4DNのエンジン特性は、アクセル開度に関係なく唐突にパワーが出ることもなく、アクセル開度に応じて低回転からスムーズに吹け上がるマイルドな特性になっています。
アクセル操作によるマシンのコントロールには、ある程度のパワフルさとアクセルにリニアに反応するエンジン特性が必要です。
4DNでは基本設定の段階で、そういったことは与えられていません。
”4DNではアクセルによる、積極的なマシンの前後のコントロールは出来ないとします。”
注意!!: アクセルコントロールが出来ないのではありません。
スーパースポーツマシンのようにアクセルに対してリニアな反応をしないだけで、ツーリングマシンとしてそのコントロール性に問題はありません。
前後のコントロール-5 (運転手編)
● 前後のコントロールの最後は運転手(ライダー)のお仕事です。
既に、皆さんはある程度のことは普通にこなしていますので、”いまさら”ということばかりになりますが、それでも知らず知らずにやり過ぎてしまっている事もあるようなので少しだけ耳を貸してください。
● 4DNは本当に真面目に造られたよいマシンといえます!!!
SRVにどれほどの開発期間と開発コストがかけられたかは知りませんが、マシン側の責任として備えていないといけないアクティブセーフティの殆どをバランスよく備えています。
本当はこのあたりの内容は、バイク雑誌等のメディアがきちんと取り上げないといけないのですが、理解できていないのでしょうか? 残念なことに、大切なことがキチンとまともにインプレッションされたのを見ていません。
仕方ないので、私が変わりにその本当の姿・すぐれた特性の数々を少しずつ明らかにしていきます。
● ポジション
SRVのポジションは運転手がコントロールすることを前提に造られています。
よく3点ポジションで言い表しますが、私はあまり気にしていません。けっしてバカにしているのではありませんが、それよりもいかに”コントロールに適した自由度が与えられているポジションとなっているか”を重要視しているからです。
ハンドル形状・ハンドルの高さ・タンク長・シート形状などよく考えられています。発売当初、気になったシート高も1年を待たずにシート形状を含めて、すぐに改善されています。
これなどは、大変に真面目な対応と評価できます。
SRV-Sでは、メーターバイザー・塗装・Rサスとグレードアップされている部分もありますが、唯一気に入らないのはハンドルが低く幅広になった点です。
メーターバイザーに合わせたデザイン上の都合なのかは知りませんが、これによりコントロール性がスポイルされたことに間違いがありません。ザンネンデス。
SRV-SはハンドルはSRV用に変更をオススメします。
ルネッサでは目を覆いたくなることばかりです。
どうしてこの様になってしまったかは知る良しもありませんし、知りたくもありません。
プロは結果が全てです。
ダメにしてしまえば”改悪”・しょうもないものを造れば”駄作” 何にしろ出来ていなければ”無能”というのが、まっとうで正当な評価です。
ルネッサではタンクが短くなり、一見するとシートは長くなったように見えますが、シート自体は全体が柔らかくなり過ぎ、しかもお尻の落ち着くポイントがシートのかなり前方となっており、かえって自由度はなくなっています。
この状態で運転しようとすると、短くなったタンクとあわせ、必要以上の前輪荷重な乗り方になり、ハンドルを上から押さえつける運転になります。
事実ハンドルはそのような乗りかたにマッチした形状にしてあります。
ルネッサにおいてこの様な乗り方をすると、低速であれば確かにマシンを寝かさなくてもハンドルを切って曲がることは出来ますが、この場合はFタイヤのグリップに頼るハンドルをこじった乗り方といえます。
ルネッサではこの改悪された点を運転手が補わなければなりません。
低く開いたハンドルには普通に乗ってもSRVに比べ運転手の荷重がかかります、なるべくシートの後方に座りハンドルには手を添える程度を心掛け極力”力”が加わらないようにします。ホイールが鉄リムなのでSRVに比べて多少の重さは出ますが、4DNの持つ素直なハンドリングは取り戻せます。
前後のコントロール-6 (運転手編)
● 運転手の仕事
ブレーキング時には運転手が前方に移動してこないようにしっかりとタンクをニーグリップして、加速時には前屈姿勢で対応する。
こんなところでしょうか? ほんとに?
● SRV編
SRVのポジションは本当にすぐれています。
ブレーキによる前後のコントロールが出来ていれば、運転手には他にあまり仕事がありません。
運転手が積極的に動いて前後のバランスをとる必要を少なくしているポジションです。そのため、運転手に負担をかけない分、安全マージンを高くしています。
SRVでは、ブレーキング時はお尻をやや後方にし、足の裏・土踏まず(裁距突起の直下の部分)でステップを掴みます。ニーグリップはしません。ニーグリップは運転手の荷重点を高くしてしまい、かえって前後の動きに悪影響を与えてしまいます。運転手の荷重点をステップとして上体の荷重もハンドルにかからないように気をつけます。
もともとの姿勢がおきている為、ハンドルにも必要以上に”力”が加わりにくいこともあり前後のコントロールは楽に出来ます。
● ルネッサ編
SRVに比べると、ポジションの関係上運転手の仕事量は多くなってしまいます。
しかも、コントロールに適した形状に作られていません。
ブレーキング時には、意識をしてシート後方に座り、ステップをしっかりと掴み運転手は自分の身体を支えます。ハンドルは指1本で支えるぐらいの気持ちで極力”力”を加えないようにします。
指1本で? ハンドルが振られたらどうすんねん!
ハンドルに要らん力を加えるから振られるんじゃ!
つまり、運転手はその上体をりきむことなく、ハンドルに体重を預けることなく、ささえなければなりません。
4DNの素直なハンドリングは運転手がハンドルに余計な力を加えないことを前提として作られています。
● 運転手の前後のコントロールのキモ
運転手がマシンの上で動き回ることよりも、余計な力がマシンに加わらないように気をつけることにこそあります。
前後のコントロール-7 (最終回)
● まとめ
バイクでは、FブレーキとRブレーキは独立しています。別々にコントロールが出来る構造になっています。
Fブレーキの役割: 制動
Rブレーキの役割: 安全に効率よく制動するための環境(姿勢)作り
それぞれの役割を理解した上で正しく使いこなすことが
”安全性を高める運転技術の向上”
と言えるでしょう。
ブレーキングの次にはコーナーリングが控えています。
コーナーリングは直線走行に比べ不安定な状態であることは理解に難しくはないと思います。
そのコーナーリングをより安全なものとするために、コーナーリングの自由度をより高める為には、コーナー入り口の手前でのマシン安定が不可欠です。
つまり、ブレーキング終了時の安定・安全性が問われます。
もう、お分かりですね!!!
”みかんのオススメブレーキング”とは、ブレーキングからコーナーリングに繋がる一連の動作の中の手前の部分
”先行動作 ”
に、他なりません。
先行動作は自分の常用スピードで出来るようになることです。
そして、コントロールすべきはスピードではありません。
マシンをコントロールする人間をコントロールするのです!!
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